句と首 ~その7~
句と首 ~その7~
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~その8へ~
*2009年 1月*
1月2日
午前四時
年賀メールの
届きをり
その人のこと
初夢に見る
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1月7日
懐かしき
友の便りは
あけもせで
年明けわかる
様々のこと
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1月11日
止まっても
動いてみても
気づかれぬ
壁の時計よ
そこは寒いか
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1月22日
次々と
四個を割れば
蜜入りて
林檎を煮る日
外は時雨れる
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1月29日
紅の
梅も送りたき
人 ひとり
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*2009年 2月*
2月4日
春立つ夜
阿修羅とヒデに
見つめらる
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*2009年 3月*
3月7日
「栄転」の
辞令喜ぶ
義父なれば
富士見ゆる部屋
心地よくあれ
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3月8日
月桂樹の
冠似合う
佳き人は
苦節の日々を
走り抜けたり
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3月10日
見上げれば
ピンクのマフラー
忘れられ
春近きこと知る
昼電車
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3月11日
2月のお悔やみ。
寒風や
言葉探しつ
通夜の連れ
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3月14日
一夜にて
この狼藉や
蛙の目
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3月19日
春色の
コート選べば
背筋伸ぶ
常の朝より
早足の影
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3月28日
過ごし日を
超えたるごとく
凝縮し
濃き日を送る
義父不穏なり
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3月29日
窓辺にて
カットグラスに
頬をのせ
空垣間見る
クリスマスローズ
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*2009年 4月*
4月2日
一枝を
咲き足し今日は
花満つる
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4月4日
背伸びも
これ位まで
春はぼたん
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4月5日
えいっままよ
あてずっぽうに
針を持つ
選びし糸は
水色なれど
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4月6日
日本を
軽く丸めて
置いてみる
メキシコ湾は
丁度のサイズ
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4月12日
賑わいの
日傘の内で
友の言う
小さき声にて
明日は満月
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4月20日
春憂や
花屋の犬も
やる気なく
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4月26日
我の手を
包み暖む
その 老女の
うす桃色の
形よき爪
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